早稲田大学図書館所蔵貴重資料

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東京日日新聞
請求記号: 文庫10-7017〜7125
東京日日新聞

東京日日新聞

東京 日報社 明治5年(1872) 2月至昭和17年(1942)12月
東京で最初に発行された日刊新聞である『東京日日新聞』を取り上げる。

この新聞が創刊されたのは1872(明治5)年3月29日(旧暦2月21日)。この年は鉄道開通、東京―大阪間電信開通、 さらには全国に郵便施行と、通信手段が大発展を遂げた年で、『東京日日新聞』以外にも全国で多くの新聞が創刊された。

創立者は戯作者として山々亭有人の筆名を持つ条野伝平(1832〜1902)、貸本屋辻伝右衛門方の番頭であった西田伝助 (1838〜1910)、浮世絵師・歌川芳幾こと落合幾次郎(1833〜1904)の3人で、程なくして西田と同じ辻家に奉公していた広岡幸助(1829〜1918)が加わった。

この新聞は当初から総合新聞を志向し、大蔵省へ提出した出版願の中で報道の内容を「御布告を始、御各省之御転任、御館御移住等之事、 日々米穀及物価之相場、開店売薬等之報告、商事之新報、農事之評論、外国新聞之訳挙、新技之発明、不意之凶変、其余珍説奇話、流行之俗謡ニ至候迄」としている。 創刊号は美濃紙版一紙に片面二色刷りで、政府の布告や公文書を掲載する「官書公報」と一般のニュースである「江湖叢談」の二つの欄からなっていた。

その後岸田吟香、福地櫻痴、徳富蘇峰といったメンバーを加え、大正・昭和初期には『東京朝日』とならんで二大紙時代を迎える。 大正期には文芸欄も充実、森鴎外や芥川龍之介、菊池寛に横光利一などそうそうたる執筆陣が連載していた。

その間、1911(明治44)年に『東京日日新聞』の名を残すことを条件に経営的には『大阪毎日新聞』の傘下に。 その後、1943(昭和18)年1月1日号から『大阪毎日新聞』と『東京日日新聞』が題号を統一し、『毎日新聞』となり、現在に至っている。

* このページは、早稲田大学学生部発行「早稲田ウィークリー」所収「早稲田の貴重書」に若干修正を加えたものです。
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First drafted Febrary 18, 1998
Last revised November 21, 2005